運命改善・にんげん取扱説明書 #2
●自分に甘く、自分に優しく。そして自分と対話する
あつこ ていうよりも全体的に脳みその外側使ってる感じで、
何にも出てこなくてひとりでクルクルクルクルーって回ってる感じがあってーー。
栗原 具体的な事例を言ってください。
あつこ 全般においてなんですけど……うーん……。
栗原 間違っていいから。
あつこ 聞き上手になれない。すぐしゃべっちゃう。
いっつも後になって〈あそこが寸止めなんだよな〉って。
栗原 何が起こってますか? それってある意味、攻撃なんですよ。
あつこ 攻撃じゃないやつでも、日常会話でもついつい発言しちゃって。
栗原 それ、攻撃なんです。ありのままの自分でいることに恐怖があるんです。
あつこ それが……分かりました、怖いんだなぁって。
栗原 しゃべりたくなるとき、女ですか、男ですか?
あつこ 相手?
栗原 相手に決まっとるやないか!
あつこ 女です、年上の。
栗原 年上は何を表すの?
あつこ 自分より……。
栗原 優れているところが多い? 優れていないところが多い?
あつこ 優れているところが多い。
栗原 優れている女性が多いときに会話の流れを自分のほうに引き込みたくなる? それとも 会話のラリーに入りたくなる?
あつこ 入りたくなる。
栗原 入りたくなる人はどんな恐怖がありますか? 自分より年上で優れていて。
あつこ どちらかというと同調っていうか……。
栗原 同調? 存在をアピールしてるってことですよね。
〈こっちを見て。わたしを見て〉ですよね。
あつこ ほぉーっ。
栗原 何も話さなかったら その流れに埋没して 自分の存在が消えてしまうことに対する恐怖なんじゃないかな。
自信があったら 何も話さなくても 自分で自分の存在位置を確認できてる。
あきらかに〈自分に話を振って〉っていう顔をしてる。
あつこ たぶんそこが一番できてないところ。
栗原 どこ?寸止めができてないってことですか?
あつこ 理解ができてないところ。
知識として分かっててもうまくこなせない。腑に落ちてないんです。
栗原 成功体験がないってことですか?
あつこ ないです。まったくないと思います。
栗原 成功体験は本当はある のに、もっと成功体験て華々しいものと思ってない?
あつこ あの寸止め感覚がまったくないんです。
失敗したとき気がつく。成功してることもあるんでしょうけど、成功とみなせてない。
マリコ やってしまった後でもそれは失敗じゃないから。
栗原 やってしまった後でも寸止めなんですよ。
〈キツイこと言ってしまった〉という自分を見るための。
あつこ あぁ、それでいいんだ。そういうことか!それでオッケーなんだ。
栗原 自分に対する認識をもう少し優しくして。
あつこ 私の望むキレイカッコイイにたどり着けずにちょっと厳し過ぎだったかもしれない。
栗原 当たって返ってくるか、直前の空気で返ってくるかの違いだけよ。
自分の中のエネルギーは 一度相手に行かないかん。勢い余って、相手に当たることもたまにはあるさ。
自己認識を甘くすることです。
甘くするポイントは映画の「マトリックス」の世界をイメージしてみて。あれは自分しかいないでしょ。
世の中、何十億の人がおるけども、全部着ぐるみ、
みんなエージェント・スミス、実在する人間はわたしのみ。
何かで相手を傷つけたり怒らせたりしても責任がなくていいということです。
もちろん法律は守らんといかんよ。
でもその意識を持つと非常に安心するんですよ。
わたしのゲームのためにキャラクターとして存在しているだけ。
それとテクニックとして、後頭部の少し上あたりで、自分を含めて見る。
あつこ それなかなかできないんですよねぇ。
橋本 カリスマトレーダーの記事で読んだんですが、
自分の頭の中に、10人の自分がいるそうです。
10人の自分に対話させて、行くか行かないか多数決を取らせる。
10人は厳しいけど2、3人なら何とか。
栗原 うん、たくさん自分が おるおる。
あつこ ・・・…。
栗原 まじめに考えなさんな。
あつこ 前から言われててなかなか難しくて。
栗原 どうやってするかというと、自分の皮膚感覚を探るんです。
いま皮膚感覚はどうですか? 足の裏は? 足首は?
あつこ 普通です。
栗原 普通という表現はない!いっつも普通と言うな!っていいようやろ!
普通と言う言葉は 自分の可能性を ロックする。
具体的に体を観察して 感じを言葉にしてよ!
あつこ 足首は冷えた感じ。
栗原 あるやんけ、コラァ!
それを「普通」と言うと映像がイメージできんやろ!映像が浮かばない言葉を使わない。
橋本 皮膚感覚を呼び覚ます簡単な方法があります。
お風呂に入って全身をくまなく触ってやるんです。
栗原 そうですね!皮膚は 自分以外と 自分の接地面なので大切なアンテナ。だからウチの商売、エステやってます。皮膚感覚 大切なんだよ!
それにペットを飼ったり、子供を触ったりすることでその感覚は研ぎ澄まされるんですよね。もちろん 大切な異性とのスキンシップもね。
だけど、自分で自分を触るのが一番です。だからボディクリーム塗れって言ってる。
あつこ 毎日しっかり塗ってます……。
ちゃんと自分と向き合ってするってことですよね。
栗原 どこがツルツルなってきたとか。
あつこ ここなかなかガサガサがとれんなぁとかそれくらい。
栗原 ガサガサとれんところ、何か言ってるはずだけど聴いてる?
あつこ 聴いてない。
栗原 聴いてないやろ。〈もしもし〉って言えってことです。
あつこ そういうことか。何かあるんやろうけど、何も教えてくれんなぁと思って。
栗原 教えてくれじゃなくて、聴けってこと。
「為さずして為す」には「変えようと思うな」です。
聴くことが目的じゃなくて、話しかけるんです。
〈冷たいの、キライよ~〉とか言うんよ。
会話して回線を作ることが目的なんです。
まず もしもし!体の声が聴こえなくても 答えてこなくても
もしもし!
あつこ 分かりました。
栗原 どんなふうに分かったんですか。
あつこ 「聴く」と「話しかける」を逆に捉えてました。イコールでした。腑に落ちた。